生活保護の条件としての最低生活費は自身のライフスタイルで変わる

生活保護 最低生活費



ここのところ生活保護の受給者数が増え続けています。

厚生労働省の調査によりますと、

2015年7月に生活保護を受給した世帯は、前月より2,964増えて162万8,905世帯となり、

受給者数は2,150人増えて、216万5,278人となっています。
これは、3カ月連続で過去最多を更新したと発表しています。

景気回復により生活保護から脱却する方もいらっしゃいますが、
高齢独居世帯の受給が大きく増えていると分析しています。

そこで今回は、

ニュースでも取り上げられている生活保護とはどのようなものなのか?
生活保護の条件としての最低生活費はどのようにして決められるのか?

などについて考えてみたいと思います。



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 そもそも生活保護とは

まず生活保護とは、

  • 生活に困窮しているすべての国民に対して
  • その最低限の生活を保障するために
  • 困窮の程度に応じて国が地方公共団体を通じて保護を行う
  • という制度になります。

    こちらは、

    日本国憲法第25条(生存権=健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)に基づいて制定された生活保護法によって、

    ① 生活扶助
    ② 教育扶助
    ③ 住宅扶助
    ④ 医療扶助
    ⑤ 介護扶助
    ⑥ 出産扶助
    ⑦ 生業扶助
    ⑧ 葬祭扶助

    以上の8種類の扶助から成り立っています。

    結構種類がありますがご存じだったでしょうか。

     生活保護の条件となる「最低生活費」はライフスタイルで変わる

    生活保護の支給額は、

    「最低生活費」

    を基礎として計算されます。

    そのため、毎月支給される生活保護費のおおよそを計算するためには、
    まずご自身の最低生活費を把握することが重要になります。

    ところがこの最低生活費ですが、

    住んでいる地域、世帯人数などによって異なります。

    また、

  • 母子家庭・障がい者には加算されたり
  • 持ち家の有無
  • 学校に通う子どもの有無

  • などによっても変わってきます。

    決して簡単に計算できるものではありません。

    ですが、さまざまな世帯の家庭環境に応じて、
    正確に「最低生活費」を支給する必要があります。

    なので、その計算が複雑になることは、ある程度仕方がないことになります。

    次にご紹介していますが、

    基本的な計算方法を踏まえつつ、最寄りの福祉事務所で相談して確認されるのがよろしいかと思われます。


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     最低生活費は8種類の生活保護の扶助からその合計額が必要に応じて支給される

    具体的な計算の仕方の詳細をご紹介しましょう。

    たとえば、小中学校に通う子どもがいる場合には「教育扶助」が支給されます。

    持ち家がなく賃貸物件に住んでいる場合には「住宅扶助」が支給されます。

    一例をあげましたが、扶助は人によって支給される人と支給されない人があり、それによって最低生活費も変わってくるということになります。


    次の表で、扶助の項目やその内容をまとめてみました。

    扶助の種類支給内容など
    生活扶助
    (金銭給付)
    生活保護の基本となる支給額で、衣食や光熱費、日常生活費などが支給されます
    住宅扶助
    (金銭給付)
    賃貸物件に住んで家賃が必要な場合に支給
    自宅の補修費なども含まれています
    教育扶助
    (金銭給付)
    小中学校等義務教育を受けさせるために必要な支給額
    生業扶助
    (金銭給付)
    就労支度金、事業の器具資材、技能習得、高校就学などに対して支給
    介護扶助
    (現物給付)
    要介護・養子縁組の認定を受けた人に、介護保険と同様の給付が受けられます
    医療扶助
    (現物給付)
    国民健康保険と同様の薬、入院・手術などの現物給付が受けられます
    出産扶助
    (金銭給付)
    被保護者が出産する場合に支給される扶助
    葬祭扶助
    (金銭給付)
    葬祭を行う場合に支給される扶助


    ご覧のように、これらの内で、

    「介護扶助」や「医療扶助」などは現物給付であるため、最低生活費の対象には含まれません。

    また「出産扶助」や「葬祭扶助」は、日常的に継続して支給される扶助ではありません。

    なので、一般の世帯において最低生活費に関わってくるのは、

    次の、

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助

  • の3つになります。

    このような最低生活費については、厚生労働省が細かい基準を定めています。

    そして、地域や世帯の事情などによって異なるため、

    各自治体の福祉事務所のケースワーカーが、その世帯の実情に応じて判断し決定することになっています。


     最低生活費としての生活保護を受給するに当たり求められること

    生活保護 最低生活費1

    改めて、生活保護ですが世帯の収入が「最低生活費」に満たない場合に受けることができます。

    ですが、その前提として次のようなことが求められています(生活保護方第4条)。


    1、資産の活用

    ◎ 現金・預金:
    多額の現金・預金がある場合は、まずそれを生活費に充てることを求められます。
    ただ、最低生活費の半分程度までの少額の現預金であれば、保有していても問題ありません。

    ◎ 土地・建物:
    生活に利用していない土地・建物等の固定資産は売却するなどによって換金して、生活費に充てることを求められます。

    自己所有の土地建物に居住中の場合は、そこに居住したまま生活保護を受けることができます。

    ですが、物件の資産価値が著しく高い場合や住宅ローンの支払中である場合などには例外があります。

    ◎ 自動車:
    自動車は、古くて市場価値のないものであっても、多くの場合処分することを求められます。

    ただし障がい者が通勤・通院に利用する場合や地理的条件・気象的条件の地域から通勤する場合などには、保有することが認められます。


    2、稼働能力の活用

    おおむね65歳未満の健康な人に対しては、まずは働いて収入を得るように求められます。

    しかしながら、現今の社会経済情勢のもとでは、若人でさえ就職するのは容易なことではありません。

    就職活動をしているにもかかわらず職が見つからないなどの事情がある場合などには、生活保護を受けることができます。

    また働いていても、その収入が「最低生活費」に満たない場合には、その不足する部分については生活保護を受けることができます。


    3、他の法律や他の施策の活用

    年金や手当など他の制度から給付を受けることができる人には、まずはそちらを活用することが求められます。

    それでも「最低生活費」に満たない場合には、生活保護を受けることができます。


    4、扶養義務者の扶養

    民法877条が一定の親族に扶養義務のあることを定めていることから、親・子・兄弟姉妹から生活費の援助を受けるようにという指導されることもあります。

    ただ、このようなことを無理強いする指導は誤っています。

    生活保護の申請をする際に、親族から生活費の援助を受けられない事情を説明し、福祉事務所から各親族に確認してもらえば良いことなのです。


     まとめとして


    実際の生活保護申請の受付窓口においては、

    いわゆる「水際作戦」といって、

    あの手この手で申請を妨げるような助言や指導が行われることが多々見られます。

    このような実情から申請者側は弱気になりがちで、

    正当な主張をすることさえ遠慮がちになることもあるのではないしょうか?

    自分だけでは自信がない場合には、生活保護に強い弁護士や行政書士などの専門家に相談されてください。

    そして場合によっては申請に同行してもらうようにすることも一方法であると思われます。



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