小さいころから12月の20日頃になると、

「今日は冬至だからかぼちゃを食べましょう」

とよく言われてきました。

その頃は何も疑問を持たずに、親の言うとおりに従っていました。


そして大きくなっていろんなことに疑問を感じるようになると、

「冬至って一体なんだろう?どうしてかぼちゃを冬至の日に食べるんだろう?」

と思い始めることがありませんでしょうか。


昔からの習慣を守るにしても、その意味が分からずにただ惰性で行うのも嫌なものです。

また将来はその意味をきちんと子供に説明できるようでもありたいです。

そこで今回のこの記事では、

冬至って何なのかや、かぼちゃを食べる意味について考えてみたいと思います。


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 冬至って何だろう?

冬至とは中国の二十四節気の第二十二番目で、
太陽が冬至点を通過するときのことを言います。

その日は太陽が最も南に傾きますので、北半球では一年で

  • 一番昼の時間が短く
  • 夜が一番長い日
  • になります。

    日にちで言いますと、

    太陽黄経が270度の、大体12月21日か22日頃が冬至になるわけです。

    その日から冬至日が始まりまして、

    小寒と呼ばれる1月5日から6日の前日までの約15日間続きます。


    なので、冬至とは冬至日の第一日目を指して言う言葉になります。

    昔から冬至は「死に一番近い日」と言われ、その厄を払うために体を温めたり、無病息災を祈ってきました。


    太陽黄経(たいようこうけい)とは?
    太陽が天球上を通る経路(黄道)を等角に分割した座標のこと。

    特に春分点を座標ゼロとして360度に当分したものを言います。

     冬至を気象学上で考えてみましょう

    冬至を気象学的に見てみますと、

    冬至は立冬と立春の真ん中にあたり、寒さはこの頃から厳しくなっていきます。


    冬至から1週間後くらいまでの間に年末低気圧が本土の上空を通過していき、太平洋側にも初雪を降らせることもあります。

    この年末低気圧が境目となって本格的な冬になることが多いわけです。


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     冬至に関する昔からの言い伝えや風習とは?

    冬至に関しての昔からの言い伝えや風習もあったりします。

    冬至の時には太陽の光が弱まりますので植物も衰弱してゆきます。
    なので農耕生活の危機が訪れる時と見なされていました。

    一方、この日から再び昼の日照時間が長くなり始め、新しく太陽が輝き始めるときでもあります。

    そのために世界中のあちこちで、

  • 冬至を陽気の回復や再生を願う日
  • 太陽の誕生日
  • とする風習ができていきました。

    再び力を取り戻した太陽に重ね合わせ、世界が生まれ変わる区切りの日としてさまざまな「願掛け」もなされてきました。

    クリスマスも、もともとはその風習に由来しています。


     冬至の日にかぼちゃを食べるのは何故だろう


    冬至には「ん」の付くものを食べると「運」を呼び込めると言い伝えられていました。

    それで、

    ・ダイコン
    ・ニンジン
    ・レンコン

    など、「ん」の付くものが食べられています。

    またそのことを「運盛り」(うんもり)といい、一つの縁起かつぎとして行われていました。


    さてかぼちゃですが、

    漢字で書きますと南瓜(なんきん)となります。
    なので「運盛り」の一つと見なされ、食べられるようになったと言われています。

    かぼちゃは栄養価も高く、

    ビタミンAやビタミンC、ビタミンE、カルシウム、カロテン、鉄分がバランスよく含まれ、

    ・風邪や中風(脳血管疾患)の予防
    ・貧血の予防
    ・免疫力の向上

    にも効果があるとされています。


    さらに、かぼちゃを食べると体を温め免疫力が上がるほか、

    ・がん予防
    ・冷え性の改善
    ・体力の回復
    ・動脈硬化の予防
    ・老化を抑える

    などの効果的も期待されています。


    本来かぼちゃは夏の野菜です。

    ですが、昔は食料が現代のように豊富ではなかったので、夏に採れたかぼちゃを保存して食べていました。

    実際、かぼちゃは採ってすぐに食べるよりも寝かせた方が栄養分も増えます。

    緑黄色野菜の少ない冬に、かぼちゃはビタミンの供給源としても貴重な食材でもあるのです。


    まさに、寒い冬を乗り切るために食べて栄養を付けるといった賢人の知恵でもあったわけですね。


     ハロウィンのかぼちゃと冬至のかぼちゃには関係がある?

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    おなじみとなりましたハロウィンのかぼちゃと、冬至のかぼちゃに関係はあるのか?

    その疑問に少し迫ってみたいと思います。


    ケルト人の習わしとして、11月1日は新しい年の始まりで、10月31日はその前夜でした。

    10月31日は収穫祭でもありました。

    また、その日はあの世とこの世の境がなくなる日でもあると信じられていました。


    それで、死者の霊や悪霊がうろつくために、

    悪霊からいたずらをされないように魔除けの火を焚いたり、仮面をつける儀式が行われていました。


    その儀式とかぼちゃちょうちん(ジャック・オ・ランターン)の伝説が混ざり合ってできたのがハロウィンなわけです。

    このかぼちゃちょうちんも、元々はかぼちゃではなくカブをくりぬいて、その中に火を灯していました。


    しかし、ヨーロッパからアメリカへ人々が移住した時に、そこで多く収穫されていたかぼちゃが使われるようになったのです。

    ですから、冬至に食べるかぼちゃとハロウィンのかぼちゃには何のかかわりもないことになります。


     まとめとして

    小さいころから、わけもわからずに風習だからと守ってきた冬至には、以上のような意味があったわけです。

    気象学的には本格的な冬の始まりを告げる冬至ではありますが、

    その裏には太陽の再生や太陽の誕生日を祝う風習があったわけですね。


    この意味を理解され、きちんと他の人にも説明してあげられるといいのではないでしょうか。

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