親の介護は予期していないときに突然ふりかかってくるものです。

普段は殆どの人が介護問題についてあまり考えていなかったり、何の準備もしていないことと思います。

なので、親の介護なんてまだまだ遠い先の将来のことと思っていませんか?

そんな風に悠長に構えていると、不意を突かれたように介護問題が襲ってきます。

特に仕事を持っている人に親の介護が始まった場合に一番問題になるのは、

「仕事を辞めるべきか?」

ということでしょう。

今回のこの記事では、介護と仕事を両立するべきかどうかについて、一緒に考えてみたいと思います。


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 仕事と介護の間で生じている問題点とは

仕事と親の介護の両立が難しくて仕事を辞める、つまり介護離職をする人が年間10万人を超えています。

なぜそうなってしまうのか、その背景や問題点をあげていきましょう。

一度介護が始まってしまいますと、それがいつ終わるものなのか全く見当がつかないために、即離職を考えてしまうこともあります。

しかし、介護をしながらも生活していかなければならないので、経済的な基盤が必要なのも事実です。

介護休業をすると、収入が減ってしまうという不安を抱えている人は沢山います。
仮に経済的に厳しくなると、介護にも影響が及んできます。

ですから、できれば仕事を辞めないで介護をする選択ができることは重要なことと言えます。

しかし、現実問題として、介護のために休みたいといっても、仕事を変わってくれる人がいないという問題も発生してきます。


さらには、職場自体が介護と両立できるような環境ではなかったために離職せざるを得ないという場合もあります。

もし介護が理由で転職した場合ですが、その後正社員として働ける人は、

  • 男性では3人に1人
  • 女性では5人に1人
  • の割合でしかありません。

    なので、転職により収入が以前の半分になってしまう人も多くいます。


     知っているようで気づかない介護離職をした場合の孤立問題

    仕事を辞めて家に入り、介護に専念するようになりますと、生活のすべてが介護一色になってしまいます。

    そして、介護をしている間は、ある意味介護が生きる目標になるかもしれません。

    ですが、それが終わった時、その後どう生きていったらよいのか分からなくなる人もいます。

    そして社会から孤立して孤独感にさいなまれるようになることがあります。

    ですから、介護で仕事を辞めるべきかどうかを考えるのは、最後の最後にした方がいいでしょう。



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     仕事と介護を両立するためにできること

    仕事と介護を両立するための心がけや方法を理解しておきましょう。

    まずは、介護を自分たち家族だけでやろうとは考えないようにすることが大切です。

    介護サービスや地域全体のサポートを利用するようにしましょう。

    その介護サービスにも様々な種類があります。

    例えば、

    在宅で利用できる訪問介護やデイサービス、ショートステイ(短期施設入所)などがありますし、介護施設に入所することもできます。

    様ざまなプランを組み合わせながら、仕事を続けていける方法が見つかるかもしれません。


     仕事をしている人が介護をするうえで受けられるサポート


    仕事をしながら受けることができる各種制度をご紹介しましょう。

    介護休暇制度というものがありますが、

    これはご家族が続けて2週間以上、要介護状態になった場合に受けられる制度です。

    介護のために仕事を休むことのできる制度で、事業主はその申し出を拒否することはできません。


    具体的には、家族が要介護状態になった場合、1度につき通算で93日まで休むことができます。

    つまり、最初に93日以内の休暇をとって介護した結果、家族の状態が良くなったのに、また状態が悪くなった場合、さらに通算で93日の休暇を取れるものです。


    ただし、休暇期間中の賃金に関してですが、
    職場によって給料の何割かが支払われる場合もありますが、全く支払われない場合もあります。

    なぜならばこれは労働基準法の規定ではないからです。


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     その他仕事をしながら介護する人への支援には何がある?

    仕事をしながら介護する人への支援を簡単にまとめておきましょう。

    要介護状態の家族のための介護や通院の付き添いなどのために、

    ・家族1人につき5日
    ・2人以上の場合なら10日まで

    の休暇を取ることができます。

    しかし、入社1年未満や6ヵ月未満の人や、週に2回しか仕事をしない人などには当てはまりません。


    介護のための勤務時間の短縮などの措置や、雇用保険から給付される介護休業給付金もありますし、民間の介護保険なども利用できます。

    そして、いろいろやっては見たものの、最終的にどうしても仕事を辞めなければならなくなった場合は、失業手当や社会保険料などの免除、又は減免などが適用になります。


     まとめとして

    突然介護が始まってしまいますと、何をどう考えていいのかわからず、パニック状態になってしまうということはあるかもしれません。

    それで、すぐに仕事を辞めようという考えに走ってしまうことはありがちなことと思います。

    でも上記で紹介した事をよく把握され、できれば仕事を続けながら介護をしていく方法を探っていただけたらと思います。

    まずはできることを全てやってみましょう。

    仕事を辞めるのはそれからでも大丈夫です。

    何もない今のうちに、こうした問題を考えていただければ幸いです。

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