最近はあまり声高には騒がれていない摂食障害という病気ですが、
ひそかにその病気に苦しんでいる人はたくさんいます。

この病気ですが、

・過度に食べたり
・ほとんどあるいは全く食べなかったり

そんな自分を隠そうとする人が多いので、はた目からは気づきにくいこともあります。

でも、放っておくと大変なことになってしまいます。

命を落としかねないこの病気について、詳しく述べてみたいと思います。


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 摂食障害ってどんな病気だろう?

摂食障害には、

  • 過度に大量の食事をしてしまう過食症
  • 食事をほとんど食べなくなってしまう拒食症
  • の2つがあります。


    過食症の場合、一度食べ始めると食べるのを止められなくなります。

    むちゃをしてでも食べては吐いてしまいます。
    そして食べ過ぎてしまったことを後悔しては憂鬱になる症状を繰り返します。


    拒食症の場合は、極端に食事の量を減らし、
    低カロリーのものしか食べず、体重がどんどん減っていきます。

    極端にやせ細り、女性の場合は生理が来なくなってしまうこともあります。


    この拒食症から過食症に変わることもあります。

     普通の食べ過ぎや食欲不振とはどう違うの?

    普段の食事でも、

    多少の食べ過ぎや、食欲不振というものは誰にでもあるものです。


    しかし摂食障害の場合は、そのような普通の食事異常が極端になり、
    体重がどんどん減っていっても拒食を止められなくなってしまうのです。


    あるいは食べても食べても止められずに食べ過ぎてしまい、
    そのように過食をした後に食べたものを全部吐いてしまったりします。

    下剤や利尿剤を使ってでも、食べたものを全部出そうとするのです。


    このような状況になってしまったら、普通の食事異常ではなく、
    治療を要する摂食障害と言える状態です。


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     摂食障害を引き起こす原因にはどんなものがある?

    摂食障害を引き起こす背景には、

  • 「太りたくない、やせたい」と言った体重への極端なこだわり
  • 「自分は太っている、醜い」という思い込み
  • などがあります。

    若い女性にとっては、「痩せている方が美しい」といった社会的な影響もあり、
    痩せていない自分には価値がないという思い込みも原因になります。


    または、子供の頃に両親の仲がひどく悪かったとか、
    両親や周りの人たちに体重や体形を指摘され、
    みっともないなどと言われた経験が引き金になることもあります。


    米国では摂食障害の原因として機能性低血糖を報告している例もあります。

    身体が極度の栄養不足に陥ると血糖値が乱高下し、
    ホルモンの分泌に異常をきたします。

    その結果、食欲をコントロールできない状態になってしまうわけです。


    それが低血糖の症状であることは周知のとおりです。

     摂食障害は精神的な病

    摂食障害とはダイエットを失敗したといった単純なものではありません。

    そのまま放っておきますと、心も体も病んで、
    精神的に疲れ果てて死に至ることもある重大な病です。


    特に拒食症の場合は、
    標準体重の60%以下にまで痩せてしまいますと、低栄養に陥ってしまいます

    そうしますと、

  • 腎不全
  • 低血糖
  • 電解質異常による不整脈
  • 結核への感染
  • など重い合併症を引き起こしやすくなります。


    さらに、拒食症であれ過食症であれ、どちらも

  • アルコールや薬物への依存
  • 抑うつ
  • 怒りっぽくなる
  • 人格障害
  • など、精神疾患を合併したりします。


    ひどい場合は、

  • 万引きをする
  • 性的に奔放になる
  • 自傷行為や自殺行為をはかったりする
  • など、衝動的な行動をとることが多くなります。


     摂食障害を治療するにはどうするの?


    摂食障害の場合、患者さんは治療を行うことで体重が増えるのを極端に恐れます。

    それで、なかなか治療を受けようとはしません。


    ですから、家族や友達、学校の先生などが専門医と協力して、
    本人が治療を受けられるよう支えることが必要になります。


    また、家族との関係が摂食障害に影響していることも多いです。

    なので家族自体も、

  • 患者との接し方
  • 家庭環境に対するカウンセリング
  • を受けることも必要になります。


    具体的に治療するにあたっては、
    摂食障害の専門医やカウンセラーを配属している病院を選ぶようにしてください。


    体重の減少が著しかったり、家庭環境が治療に適していない場合は入院治療が行われます。

    治療法としましては、体重に対するこだわりや、
    間違った自己評価に対する心理療法が中心に行われます。

    そのように心身の回復を目指して、
    薬による治療栄養指導などが必要に応じて行われます。


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     まとめとして

    摂食障害とは、時に命にかかわるほど重大な病気だということが分かりました。

    それは誰にでも起こり得る病気かもしれません。


    摂食障害というと、女性の病気というイメージが大きいですが、
    近年男性にもみられるようになってきています。

    つまり、容姿を気にしすぎるために、
    容姿が良くない自分には価値がないと思うことが原因になっているのかもしれません。


    容姿は重要ではなく、自分の存在そのものが尊いのだということを忘れないようにしたいですね。

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