11月から12月になってくると、ちらほらあちこちでインフルエンザの声が聞こえてきます。

その時期になると、インフルエンザのワクチンを受けなければ、と考え始める人も多いことと思います。

しかし、インフルエンザのタイプは百種類以上あるといわれます。
なので、ワクチンの型が合わなければ感染してしまいます。

と言うことは、

「ワクチンを受ける意味がないのではないだろうか?」

と思ってしまいます。


それでこの記事では、

ワクチンの効果はどれほどのものなのか?

ワクチンを接種する意味があるのか?

についてお話したいと思います。


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 インフルエンザワクチンの効果はどれだけのもの?

ワクチンを接種しますと、ウィルスに対して身体の免疫を覚えこませることができます。

メモリーB細胞という免疫細胞が身体の免疫を記憶をしてくれます。

すると、同じウィルスが入ってきたときに抗体を作って、ウィルスに対する攻撃態勢を整えることができるのです。


ただ、ワクチンを接種したとしましても、ウィルスが身体の中に入り込むのを防ぐことはできません。

ですから、ワクチンを接種していても一度はインフルエンザウィルスに感染してしまうことになります。


しかし、ワクチンの効果はそこから発揮され、抗体がすぐさま攻撃してやっつけてくれます。
なので、結果としてうウィルスの感染が広まる前にやっつけてくれるわけです。

そのために感染したことすら気づかずに済んでしまいます。


注意点として、免疫の働きが充分でない場合は、たとえウィルスのタイプがしっかりあっていたとしても、症状が生じてしまうこともあります。

その代わり、その時の症状はワクチンを接種しなかった場合よりは軽減されます。


 子供はワクチンの効果が低いの?

子供さんの場合ですが、

生後6か月までは母親の免疫が残っていますので、インフルエンザにかかりにくいといわれています。

しかし、乳幼児は免疫が未熟なため、ワクチンの効果は出にくいといえます。
そうであったとしましても、ワクチンを接種することで重症化を防いでくれる効果は期待できます。

インフルエンザ脳炎・脳症などのような重症化を防ぐことはできます。

そうした意味では、乳幼児もワクチンを接種した方が良いといえます。


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 13歳未満の子供は2回接種が必要なのはなぜ?

ある程度の年齢になれば免疫機構も整ってきますが、13歳未満の子供は2回接種が必要と言われます。

その理由ですが、過去にインフルエンザにさらされていないかもしれないということにあります。


インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」に分類され、「生ワクチン」(毒性を弱めたもの)より効果はありません。

免疫は学習をして得られるものですので、2回目の接種により、より免疫が増強されるわけです。


大人の方であればインフルエンザに罹ったことのある人は多いはずです。
自覚がなかったとしてもウィルスにはさらされています。

そのようにして、すでに免疫が作られていますので、1度の予防接種でも十分な免疫が付くわけです。


なので、13歳未満の子供はインフルエンザウィルスにさらされた可能性が低いため、念のために2回接種を行うことで効果も確実になるわけです。


 ワクチンのタイプが外れた場合効果はないの?


ご存じのように、インフルエンザは流行するタイプが毎年変わります。

なので、ワクチンの当たりはずれは当然あります。

しかし、ワクチンのタイプが外れたとしましても、50~60%の予防効果があったとされる報告がなされています。


つまり、予防効果は薄れることはあったとしましても、それなりの効果は期待できます。


 ワクチンを接種したそのワクチンでインフルエンザに感染しないのか?

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、感染力は全くありません。

ウィルスの死骸を接種しているようなものです。
なので、ワクチンによってインフルエンザに感染することはないわけです。


ワクチンを接種した直後に運悪くインフルエンザに感染してしまいますと、ワクチンに原因があるように感じてしまいます。

でもそれは単なる誤解です。


 インフルエンザのワクチンをどのように決め製造されているのか?

インフルエンザには様々なタイプがあることはご存知かと思います。
そして、その流行するタイプは毎年異なります。


では、その年のワクチンをどうやって決めているのか?

それは、世界での流行状況を見て、どのタイプがはやるのかを世界保健機関(WHO)が予測をしているのです。

それに基づいて日本の研究機関が検討し、ワクチンのタイプが決められます。


今年流行しそうなタイプが決まりましたら、ワクチンの製造に入ります。

その具体的な製造の仕方ですが、

インフルエンザのワクチンは鶏の卵で作ります。

その卵にインフルエンザのウィルスを摂取し、ウィルスを増殖させます、
さらにそれをエーテルで処理をして感染力を無くして作るのです。

このようなワクチンの事を不活化ワクチンと言っているのです。


そのようにして製造したウィルスを、殻の部分(HA)だけにしたものがワクチンになります。
いうなればインフルエンザウィルスの死骸のようなものです。


そのワクチンを身体に接種しますと、免疫細胞がウィルスの外見を認識して覚えこみます。

そうしますと、本物のウィルスが身体の中に侵入してきたとき、攻撃態勢ができているわけです。


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 まとめとして

インフルエンザワクチンの効果についていろいろ見てきました。

結論としましては、ワクチンには十分な効果があるということでした。


インフルエンザには様々なタイプがあるので、効果は全くないような風評もありますが、それは間違いなわけです。


タイプがぴったり合わなかったとしましても、感染を軽減してくれる効果はあるわけですね。

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