
爆弾低気圧という言葉をニュースなどで聞くことが多くなってきました。
爆弾という言葉から、かなり大変な天気になるのだろうということは予想がつきます。
しかし、
「それって一体どんなものなのだろう?」
と思うことがあります。
ここのところ、地球温暖化など地球の環境のせいで大型台風やゲリラ豪雨など異常気象が頻繁に起きています。
同時に、爆弾低気圧も今後増えていくだろうと危惧されているものの一つです。
この記事では、
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爆弾低気圧とは何だろう?
爆弾低気圧とは、急速に発達して台風並みの暴風雨をもたらす温帯低気圧を指す俗語なのです。1980年にMITの気象学者である、フレデリック・サンダースらが提唱したものです。
ではその爆弾低気圧の定義を説明しましょう。
様々な気象学者がその定義や解析を試みていますが、
12時間以上にわたってその中心気圧が、1時間当たり1hPa以上低下した温帯低気圧を指して言うことが多いです。
ただし、気象庁は予報用語の中で「使用を控える用語」と分類し、「急速に発達した低気圧」などと言い換えています。
発生地域や時期ですが、
冷たく乾燥した大陸性気団と暖かく湿った海洋性気団が衝突する大陸辺縁部の、特に東岸で冬期に多く見られる現象です。
日本では日本海や三陸沖、千島列島などで多く観測されています。
日本付近では10月から3月ごろの冬の嵐の時期や2月から3月の春一番の時期が最も多いです。
4月中旬から5月中旬のメイストームの時期にもみられることがあります。
また、日本海低気圧が日本海から北日本を通過する際に急速に発達し、三陸沖でさらに猛烈に発達することが多いです。
温帯低気圧とは何だろう?
先ほど、爆弾低気圧とは温帯低気圧が急速に、そして猛烈に発達することが原因といいました。では、そもそもその温帯低気圧とは何でしょうか。
温帯低気圧とは前線を伴う低気圧の事になります。
暖かい暖気と冷たい寒気がぶつかり合って、混ざり合おうとしてできた前線に、コリオリの力(地球の自転により発生する転向力)が加わり、そこに渦が発生してできる低気圧の事です。
この暖気と寒気の力はお互いにとても強く、その温度差が大きければ大きいほど低気圧は発達しやすくなります。
それと共に風や雨、雪も強くなっていきます。
爆弾低気圧と台風の違いは何だろう?

爆弾低気圧は、風が強く吹いて、雨がたくさん降るという点では台風とよく似ています。
しかし、爆弾低気圧と台風ではその定義や発生する場所、発生する原因が違っています。
○ 爆弾低気圧は 温帯低気圧が発達したもので、発生するのも温帯地方です。
暖気と寒気の温度差によって発生し、前線を作ったものです。
○ 台風は 熱帯地方の海上で発生した熱帯低気圧で、中心付近の最大風速が秒速17,2m(風力8)以上のものをいいます。
海水が急速に温まって蒸発し、それが上昇し渦を巻いて出来た低気圧が台風になります。
この台風ですが、温帯低気圧に変わると寒気とぶつかり前線が発生して、爆弾低気圧に変化するということもあり得るわけです。
台風の場合、暴風雨はその台風の勢力範囲だけですが、爆弾低気圧は前線の通過の影響で、広範囲にわたって暴風雨になるのが特徴です。
なので、爆弾低気圧はかなり離れた場所でも油断はできません。
また、爆弾低気圧により暴風雨や北海道でのブリザードなどの被害が大きくなったりします。
そしてその影響は、土砂災害などの二次被害にもなりかねません。
NHKでは爆弾低気圧とは言わないのはなぜ?
NHKでは爆弾低気圧という言葉は使いません。でも最近は「いわゆる爆弾低気圧」と言ったり、カギ括弧を付けて表示されることがあります。
民放のようには一般的に使用してはいません。
それはNHK気象・災害ハンドブックに、
「爆弾低気圧は学術用語としては認知されていないので、放送では使用しない」
と書かれてあるからです。
その代わり、「急速に発達する低気圧」と表現されることが多いです。
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まとめとして
爆弾低気圧とは、ご紹介のように時には台風よりも強い影響を与えるものであることが分かりました。北日本におきましては、猛吹雪になって、ホワイトアウトやアイスバーンなどの原因にもなる爆弾低気圧なのです。
時々数十台の車が猛吹雪のために立ち往生しているのが報じられることもあります。
これも爆弾低気圧が原因なんですね。
爆弾低気圧はとても怖いもので、決して甘く見てはいけないわけです。
特に、急速に発達する爆弾低気圧は、予想がつきませんので対処のしようもないのが困ります。
よく天気予報をチェックし注意をしておきましょう。
民放のウェザーキャスターが殊更に「爆発的に発達する低気圧」を公の電波を使って俗称で呼ぶのは、
気象予報士を目指す者達を含め、如何にも正式名称であるかのように俗称を使用するのは如何なものか、
本当に気象予報士としての知識を持っているのかと甚だ疑問に思う
一個人で使う場合は構わないが、公共の電波を使用し述べる場合は正式名称を踏まえ述べるべきと考える
この事は「ゲリラ豪雨」等、民放のキャスターが「俗称」を余りに多く使う傾向にあり、現業の気象予報士として情けない
ブログの閲覧ありがとうございました。
貴重なご意見にも感謝いたします。
管理人
少なくとも『爆弾低気圧』は一般的な辞典に載ってます。
俗称を全く認めない弊害を考えたことありますか?メリットは『爆弾低気圧』と一言で終わるだけですが、
認めなかったときのデメリットはNHKの『急速に発達する(温帯)低気圧』と説明しなくてはならない、などあることご理解していますでしょうか?
そのデメリットは、また新しい言葉が生まれてしまうということ。どうしても字数を少なくしたい業界はあります。
現に2013年に読売新聞では『猛烈低気圧』なんて言葉とするそうです。同じものを表現するのに日本語だけで2つあることになります。
研究が進めば、『爆弾低気圧』つまり急速に発達する低気圧のことは正式になるはずです。その災害危険性から正式名称にならない理由は全くありません。ただ『爆弾低気圧』になるかは別だが。
そのときにあなたのように俗称だから全部ダメって人がいるとどうなるか、俗称だから同じものを違う言葉で表現したものがたくさんあるのです。
結局どれにも選べないので新しく言葉作ったけどだれも使われないとか統一するのに酷く時間が掛かったとか、、、、、
俗称をみんなで使って正式名称のように早く統一してしまったほうがメリットが大きいこともあると考えてください。
当ブログへのご訪問ありがとうございました。
貴重なコメントありがとうございました。
管理人