
コロナウイルスで世界的に衛生に対する意識が高まっている今、注目度が急上昇しているのが「光触媒」です。光触媒には、「消臭」「防汚」「抗菌」「抗ウイルス」など様々な効果があります。
現在では、病院のタイルなどにも使用されており、徐々に一般の方々にも認知され始めています。
そこで今回は、光触媒の歴史や効果について詳しくご紹介します。
スポンサーリンク
光触媒とは何なのか
そもそも光触媒とは、「光を照射することによって反応を示す物質の総称」です。天然の光触媒反応として光合成が上げられることもありますが、一般的には人工の化学物質を示すことが多いと言われています。
代表的な光触媒物質としては酸化チタンが知られており、身の回りの生活でも実際に用いられており、病院のタイルやガードレール、トンネルのライトなどにも使用されています。光触媒には、汚れを落とす効果もあるため、ガードレールが排気ガスなどでも黒くならないのはそのためです。
また、酸化チタン自体は粉末状の物質なので、一般的には水などに溶かした状態で用いられています。
光触媒の歴史
光触媒が発見されたのは今から50年ほど前です。当時大学院生であった藤嶋昭氏が、本多健一助教授の指導の下、実験中偶然にこの作用を見出したのが、酸化チタン光触媒の発見でした。この発見が1972年に科学的権威のあるNature誌に発表され、現在では発見した二人の名前をとって「本多・藤嶋効果」と呼ばれています。
その後、光触媒の特性を活かして外壁やタイル、ガラスなどに用いられるようになりました。現在では身近なところにも実は光触媒が使われています。
光触媒の効果
光触媒には様々な効果がありますが、その中でも代表的な効果が2つあります。続いては、光触媒の効果についてご紹介します。
有機物の分解作用
1つ目の代表的な効果は、「有機物の分解作用」です。光触媒は名前の通り光(太陽光)を当てると活性酸素を発生させます。その活性酸素が有機物に取り付いて二酸化炭素と水に分解する作用があります。その作用により、臭いはもちろんタンパク質から構成されるウイルス等にも効果を発揮します。
これらの効果を応用することで、近年室内のコーティングにも取り入れられており、「ウイルス」「菌」「臭い」「花粉」などの対策につながると期待されています。
超親水化作用
有機物の分解に加えて、もう1つ重要な効果は「超親水化」です。超親水化とは簡単に言うと撥水効果の真逆の反応で、水に濡れる性質です。
水と接地面の角度が限りなくゼロに近くなる表面の性質のことで、この性質によって表面についた水が汚れの下に入り込むことで汚れを浮かせて非常に落としやすくする効果があります。
これらは、室内だけでなくどのような場面でも応用できるため、昔からビルの外壁に対するコーティングなどにも使用されています。
光触媒はコロナにも有効?
光触媒には有機物の分解作用があるので、ウイルスに効くということをご紹介しました。ウイルスにも効果があるということは、「新型コロナウイルス」にも効果はあるのでしょうか?新型コロナウイルスに対するエビデンスは無い
結論から言うと「効くとは100%言い切れないが、99%効く」と言えます。これには理由があり、実際に民間企業が光触媒の実験において新型コロナウイルスを使った実験ができないことが関係しています。
しかし、新型コロナウイルスに1番形が近いと言われている鳥インフルエンザウイルスでは光触媒コーティングを施した場所に48時間光を照射したところ、300万個あったウイルスが50個以下にまで減少したという北里大学獣医学部の実験結果もあります!
このことから、「理論上はコロナウイルスも光触媒によって分解除去はされるが100%効果があるとは言い切れない」となります。
光触媒を内装へ!
従来は、外壁やガードレールなど屋外のものに使われることが多かった光触媒ですが、液剤なので施工してから乾くまでの間に風や雨でムラができてしまい、100%力を発揮することができませんでした。しかし、最近では賃貸物件や住宅など内装のコーティング材として注目され始めており、光触媒コーティングのサービスも多くの会社が参入して業界としても盛り上がっています。
特に、小さな子供がいるご家庭などでは衛生に対する意識が年々増加しており、今回の新型コロナウイルスでさらに上昇しました。これからは、目に見えるものだけではなく目に見えないものに対してお金を払う時代に変わると考えられています。
いつ、何が起きても安心して暮らせるようなサービスを取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、光触媒の歴史や効果についてご紹介しました。耳慣れない光触媒という言葉ですが、この記事を読んであなたも光触媒の知識が得られたと思います。
また、意外と身近に使われているものなので話のネタとしても使うことが可能です。
周りの人に話すことで一歩進んだ衛生意識を持った人として評価が上がるかもしれませんね。