「収入」と「所得」の違いはなにか?
そんな疑問をもたれる方も多いのではないでしょうか。
改めて、この疑問に答えるとなると、いろんな角度から答えが出てきそうです。
そこで今回は税金にスポットをおいてみたいと思います。
また、自営業者の方とサラリーマンの方でも認識が違ってくると思います。
なので、それぞれ収入と所得の違いを比較していきましょう。
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収入金額に対して税金はかからない!!
いきなり、『収入金額に対して税金はかからない』
といいましても、ピンとこないかも知れませんね。
実は、こちらのブログでも、たびたび説明させてもらっていますが、
収入 ー 必要経費 = 所得
これが基本となります。
その基本とはどういうことなのか?
具体的に、自営業者の方とサラリーマンの方でそれぞれ比べてみましょう。
まず、自営業者の方から考えてみましょう
お店で商品を販売しお客さんからもらうお金は、入ってくるものですから収入になります。その収入ですが、商売のうえでは売上ともいっています。
ですから、言い換えれば、
収入=売上
これは理解できやすいのではないでしょうか。
それで、いざ税金の計算をするときに、その売上に対して税金がかかるとしたら?
これは大変な金額になってしまいます。
ですから、収入(売上)を得るための必要経費を差し引いた金額に対して税金を計算するようになっています。
ですから
収入ー必要経費=税金のかかる部分
そして、
税金のかかる部分=所得
と理解してください。
この自営業者の方の所得ですが
みかたをかえますと
収入ー必要経費=利益
利益=所得
と思われてもいいでしょう。
ただし、実際に税金を計算するときには、
少し複雑になりますが
所得 ー(各種控除)= 課税される所得金額
課税される所得金額 × 税率 = 税額
という流れになります。
<例題として>
売上(収入):1,500万円
諸経費:900万円
家族
妻(専業主婦):配偶者控除=38万円
子ども1人:扶養控除=38万円
健康保険・年金掛金:社会保険料控除=50万円
生命保険掛金:生命保険料控除=4万円
基礎控除=38万円
(控除額合計 → 168万円)
税率:20%(所得額により変わります)
〇解 答〇
所得=600万円
1,500万円-900万円 =600万円
税額=436,500円
(所得) (控除額合計)
(600万円-168万円)×20%=864,000
(税額に対する差引分)
864,000-427,500=436,500円
(税額に対する差引分)は税率により金額が決まってきます。
(注:別途「復興特別所得税」の加算があります=税額×2,1%)
諸経費:900万円
家族
妻(専業主婦):配偶者控除=38万円
子ども1人:扶養控除=38万円
健康保険・年金掛金:社会保険料控除=50万円
生命保険掛金:生命保険料控除=4万円
基礎控除=38万円
(控除額合計 → 168万円)
税率:20%(所得額により変わります)
〇解 答〇
所得=600万円
1,500万円-900万円 =600万円
税額=436,500円
(所得) (控除額合計)
(600万円-168万円)×20%=864,000
(税額に対する差引分)
864,000-427,500=436,500円
(税額に対する差引分)は税率により金額が決まってきます。
(注:別途「復興特別所得税」の加算があります=税額×2,1%)
次にサラーリーマンの場合をみていきましょう。
サラリーマンの方の収入、所得とは
冒頭にでてきました次の式を思い出してください。
収入 ー 必要経費 = 所得
これが基本とお伝えしました。
まず、収入ですが
サラリーマンの場合は給料や賃金、賞与あるいは各種手当ての部分です。
(交通費は一定の要件であれば収入に含まれません)
収入は、「基本給+各種手当」といった方がわかりやすいかも知れませんね。
よく「手取り」は○○円などといいますが、この手取りは
「基本給+各種手当」から
保険・年金の掛金
雇用保険料
各種税金
などを差し引いた金額となります。
つまり、手元に残った現金ですね。
さて、収入はわかりました
では、サラリーマンに必要経費はあるの?
素朴な疑問ですね。
実はサラリーマンにも必要経費部分があります。
「給与所得控除額」といわれています。
この、給与所得控除額は最低でも65万円あるのです。
*この給与所得控除額は給与の金額によって増減します。
改めて計算式にしますと
(必要経費部分)
収入ー給与所得控除額 = 所得
となります。
いざ、実際に税金を計算するときには
先ほどでてきました流れと同じで
所得 ー(各種控除) = 課税される所得金額
課税される所得金額 × 税率 = 税額
という流れになります。
<例題として>
給与(基本給+各種手当て):450万円
家族
妻(専業主婦):配偶者控除=38万円
子ども1人:扶養控除=38万円
健康保険・年金掛金:社会保険料控除=50万円
生命保険掛金:生命保険料控除=4万円
基礎控除=38万円
(控除額合計 → 168万円)
税率:5%(所得額により変わります)
◯解 答◯
所得=306万円
(給与所得控除)
450万円 -144万円 =306万円
税額=69,000円
(所得) (控除額合計)
(306万円-168万円)×5%=69,000円
(注:別途「復興特別所得税」の加算があります=税額×2,1%)
家族
妻(専業主婦):配偶者控除=38万円
子ども1人:扶養控除=38万円
健康保険・年金掛金:社会保険料控除=50万円
生命保険掛金:生命保険料控除=4万円
基礎控除=38万円
(控除額合計 → 168万円)
税率:5%(所得額により変わります)
◯解 答◯
所得=306万円
(給与所得控除)
450万円 -144万円 =306万円
税額=69,000円
(所得) (控除額合計)
(306万円-168万円)×5%=69,000円
(注:別途「復興特別所得税」の加算があります=税額×2,1%)
収入と所得の違いについて、自営業者、サラリーマンそれぞれみてきましたがだいたいのイメージがつかめましたでしょうか。
所得にはたくさんの種類がある
スポンサーリンク今まで、所得について自営業者の方とサラリーマンの方に絞って説明してきました。
でも、他にも所得はたくさんありますので参考までに少し紹介してみましょう。
所得といわれるものは、実は10種類あります。
まず、初めに説明しました
自営業者は、「事業所得」
(農業もこの事業所得に含まれます)
サラリーマンは、「給与所得」
といっています。
あとは、あまりなじみがないと思われますが
・利子所得
・山林所得
・不動産所得
・配当所得
・退職所得
・一時所得
・譲渡所得
・雑所得
があります。
所得によっては、その文字から、だいたいどのようなものか想像がつくのではないでしょうか。
それぞれ、収入を得るための必要経費があれば、差し引いて所得を計算しています。
繰り返しになりますが、収入に対していきなり税金の計算はしないということですね。
まとめとして
収入と所得の違いがお分かりになりましたでしょうか。税金の計算とかいいますと、専門用語とかでてきますのでちょっと引いてしまいます。
ですが、計算のポイントがわかりますと案外と理解もはやまります。
今回の収入と所得は専門用語ほどではないにしても、理解できてないと税額の計算はできません。
結局は、ことばのニュアンスの違いのようなものですから、しっかりと身につけておきましょう。