お見舞い5


入院されている方へのお見舞い品にはいろいろと種類がありますがどのお見舞い品にも「のし」(のし紙)を付けるのが一般的です。


この「のし」にはいくつも種類があり間違った選び方をすると、大変な失礼となってしまいます。


今回は、まず始めに「のし」の基本を理解してもらうために意味と役割の説明をいたします。


そしてお見舞い品への正しい「のし」(熨斗)の付け方について具体的にご紹介させていただきます。




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 「のし」とはどんな意味があるの?

まず「のし」とは、熨斗鮑(のしあわび)のことです。
(漢字では、のし ⇒ 「熨斗」と書きます)


あわびは昔から珍重され、また神聖視されていたことから、慶事・祝事の際の贈答品として重宝されてきました。(詳しくは後述)


悩みごと

熨斗

現在では、この熨斗鮑を包む形をモチーフにした「のし紙(熨斗紙)」 が使われるようになりました。


また、ご存じのようにのし(熨斗)と水引を印刷した紙を「のし紙(熨斗紙)」 あるいは簡単に「のし」と総称しフォーマルやギフトの際に使用されています。

(注:以後、本文中での「のし」はのし紙の意味で、「のし」と「熨斗」を使い分けています。)

さて、のしにはいくつか種類があり、その用途もかなり異なりますが


主に水引(飾り紐)の違いにより

「紅白蝶結び」

「紅白結び切り」

「黒白結び切り」

「黄白結び切り」


の4種類に分類されます。

それぞれ簡単に説明しますと


「紅白蝶結び」は:
結び目が結び直せるという意味があり、新築祝いや出産祝いなど何度繰り返してもよいお祝い事などに使います。

のし
「紅白結び切り」は:
結び目が簡単にほどけないという意味があり、結婚祝いや快気祝いなど、一度きりであってほしいお祝い事などに使います。

のし2
「黒白結び切り」や「黄白結び切り」は:
告別式前後の御霊前や法要の御供物引き出物などに使います。


東日本では黒白をよく使い、西日本では黄白または青白を使う地方もあります。


ちなみに神式では白一色の水引を使いましょう。

悩みごと

「水引の本数にも意味があるようです」
現在用いられている水引の本数には3本・5本・7本・10本などがあります。


本来は5本が基本となっていますが、この5本を基本とする考えは手の指の本数を現しているという言い伝えがあります。


また、中国の古い学説の五行説にあります

「万物は全て五つの事象から構成されていて、色も基本の五色からなっている」

という考えからきているとも言われています。


3本は5本の簡単結びであり粗品などに使用されます。


7本は5本の丁寧結びであり、さらに10本は基本の5本を二重にした結びで

「両人と両家が互いに手を結び合った形を表す」

として婚礼関係に用いられますし、弔いごとにも用いられることがあります。


7本は5本をより丁寧にしたものとお話ししましたが、贈るお品のサイズが小さいときに7本にすると、水引だけ目立って不格好になる場合もあります。

そんな時には5本にしても問題ありません。



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 お見舞いにはこれを選べば大丈夫!

さて、お見舞いの際に使うのしですが「紅白結び切り」を使い、のしの表書きには

「御見舞」

「お見舞」

「御伺い」

「祈御全快」


などと書くと良いでしょう。


のし お見舞

お見舞いの際に気を付けることは、

「黒白・黄白結び切り」 ⇒ 絶対に使用しないこと


「紅白蝶結び」 ⇒ 病気を何度も繰り返してしまうという意味になってしまいますので、こちらも絶対に使ってはいけません。


仮にお見舞いに行けなかった場合は、退院後しばらく経ってから快気祝いとして「快気内祝」と表に書いたのしを付けて送ってあげましょう。


さて、お祝い事のほぼ全てに熨斗は付けますが、中には熨斗を「病気を伸ばす」という意味で受け取られる方もいらっしゃいます。


また、熨斗がお祝い事のイメージがあり、お見舞いには熨斗を付けないという地域もあります。


その場合でしたら、水引きだけの「のし」を使用しましょう。


そもそも「熨斗」とは?

本来は熨斗鮑(のしあわび)として長寿を願う縁起物と言うことで熨斗を付けています。

ただ、地域によっては解釈の違いがありますので贈り物等に熨斗を付けない場合でも、基本的には問題ありません。

また、お金を包んでお送りする際は、水引の付いた祝儀袋を用いますが祝儀袋には「熨斗」は付けません。

 知ってるようで知らない「のし」の豆歴史

のし11

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のしは、今でこそ紙ですが昔はあわびを薄くスライスし、干したものを「熨斗鮑」(のしあわび)という名前で使っていました。


今でも伊勢神宮にゆかりのある神社で献上されることがあります。


その、神社のトップに君臨する伊勢神宮では、

・毎年6月と12月に行われる月次祭(つきなみさい)

・毎年10月に行われる神嘗祭(かんなめさい)


において、熨斗鮑を献上する儀式が行われています。


美味しい鮑ですが献上する際に生では腐ってしまいます。
なので、一度乾燥させた鮑を献上したことが熨斗鮑の始まりのようです。


この熨斗鮑は、三重県の無形文化財に指定されているそうですよ。

 まとめとして

冠婚葬祭に「のし」は付きものですが、いろいろな種類の「のし」が使用されています。


水引の色や形の意味、それから表書きの言葉の意味を理解せずに渡してしまい、失礼を与えたり恥をかくこともあります。


それぞれの意味を十分理解したうえで、シチュエーションごとにスマートに使い分けができるようにしましょう!


熨斗鮑ですが、非常に高額ではありますが一般にも販売されています。
本物の熨斗鮑を添えて贈ると、非常に喜ばれると思いますよ。


「関連サイト」入院時のお見舞い品で決まるマナーの常識!失礼のない励ましを!

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