以前そうめんと七夕のお話しをしましたが、そうめんって実は色付きもあるんです。
ご当地の料理として5色そうめんなどがありますが、こちらも七夕に関係している深い歴史があります。
今回はそうめんと色の関係を順序を追ってご紹介していきます。
スポンサーリンク
なぜそうめんに色付きがあるのか?
ではまず最近のお話やそのあと歴史との関係なども見てみましょう。「彩りのため」
現在販売されているそうめんには、白一色と色付きが入ったそうめんとの2種類があります。
この違いはポテトチップスでいう塩味とコンソメパンチでしょうか。
つまり
スタンダードのそうめん
と
彩り豊かなそうめん
という位置づけになります。
「そうめんとひやむぎの違いを分かりやすくするため」
そうめんに対して、ひやむぎという似たようなものが売られていますが原材料はどちらも同じです。
であればなぜ似たようなものに名前が違うのか?
これは西欧諸国でいうパスタと似た概念があります。
パスタは太さや形状などによって名前を使い分けてます。
そのように、そうめんやひやむぎも太さが違うために使い分けられているのです。
ところで、おなじみの「うどん」も同じ材料なのに麺が太いということで、
名前が「うどん」という名称を付けて使い分けられています。
こちらは形状などからみてもすぐに区別がつくかと思います。
ですがそうめんとひやむぎの見た目はうどんとは違って太さがほぼ変わらないですよね。
そこで片方のそうめんに色付きの麺を入れて区別しようと導入されたのです。 導入後はとても反響が良く色付きのほうがよく売れていく傾向にありました。
また、そうめんだけでなくひやむぎにも色付きの麺を入れるようになったのは近年のお話しとなります。
5色そうめんができた由来とは
現在では5色そうめんと言われるそうめんがありますが、それは味が5種類で色も5色あるのが定番となっています。でも昔は色も天然の着色のみで、しかも味はどれも同じでした。
ならばなぜ色とりどりのそうめんが生まれたのか?
それは1635年、八代目市左衛門の娘が椿神社で参拝した際に下駄についた色とりどりの糸を見て思いついたとか言われています。
その後参勤交代の際に色とりどりのそうめんを献上したところ、とても好評となりました。
また朝廷においても
「美麗五色は唐糸の如く美し」
とまで称賛され、一躍全国的に5色のそうめんが知られるようになったとされています。
今では5色そうめんは郷土料理にまでなりつつあり、全国的にも色付きのそうめんとして定着しています。
ところでこの5色そうめんには諸説ありまして、アイディアこそ先程の娘が生み出したとされていますが
実はそうめんと七夕との関係からみていきますと中国とのかかわりのほうが有力なようです。
七夕とそうめん?5色そうめんと中国とのつながりとは
スポンサーリンク5色そうめんと中国とのつながりですが
七夕にそうめんを食べる風習が江戸時代に始まったと言われ、それから数年後にこの5色そうめんを発明したとあります。
つまり
七夕とのつながり ⇒ 中国
との深いかかわりがあることがわかります。
さらに中国の陰陽五行説に結びついて5色のそうめんは始まったのではないかという説が有力です。
その陰陽五行説ですが、
方角と色
がありますがそれが七夕の短冊にも影響を与えました。
さらにそうめんの色分けの際に何色にするかを決めるのにも、この陰陽五行説が影響を及ぼしたと思われます。
では、ザックリとですが5色そうめんと陰陽五行説のかかわりをお話ししますと、
陰陽五行説には次に示すような五つの「色」や「もの」「方位」があります。
◯ 白、黄色、緑、赤、茶(→ 色)
◯ 水、土、木、火、金(→ もの)
◯ 東、西、南、北、中央(→ 方位)
こちらの「色」と五色そうめんを比べてみましょう、
ご覧のように5色そうめんは中国の陰陽五行説と深いかかわりのある色を選んでいるのです。
また、現在の5色そうめんは色よりも味での差別化をしているものもあり、時代の流れを感じさせてくれます。
味での差別化は歴史も比較的浅いのでわかりやすく、またその味によって明確な違いの発見ができるのではと思われます。
まとめとして
そうめんの歴史はとても古く、また色とのつながりで有力な説がたくさんある中で① 七夕とそうめんのつながり
② そのつながりから見える古代中国と古代日本の伝統や伝説
③ そして中国の陰陽五行説
など様々な視点が入りこんでいます。
ただ諸説ある中でも共通するのは「糸」というキーワードです。
そうめんの生まれを探求していく中で、この糸というキーワードが関わっているようにも感じました。
さて色付きそうめんだけで見ますと、彩りが良く売り上げが上がったことから広まっていったようです。
つまり複雑な歴史はさておきまして、
色付きそうめんは味も加わることによって、完結明瞭に食を楽しませる要素だということも知ってもらえたらと思います。